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導入
親父は嫌い。メチャクチャ嫌い。
子供の頃から頭ごなしに怒ってくるし。
約束は守れとか説教垂れてくるくせに、自分は平気で破るし。
挙げたらきりがないくらい嫌いなところばっかりだけど、私を産んでくれたことだけは感謝してる。
まあ、実際産んでくれたのは母さんなんだけど、クソムカつくけど母さんと親父が結婚して、あんなこととかしてくれなきゃ、アタシは産まれてないわけで…
だから!だから!
「私に生を与えてくれてありがとう。感謝して…あ…あげる…よ。」
今日はアタシの14回目の誕生日だ。今まで親父の誕生日なんて祝ったこともないし、これからも祝うつもりもない。大嫌いだから
けど…アタシをつくってくれたことに対する礼はしたい。
だから、アタシの誕生日にアタシのことをつくってくれたことだけに対する感謝の気持ちを伝えてあげることにした
「ああ?なんだって?キモいこと言ってんじゃねえよ」
ソファーで寝転がってるクソヤロウは、クソみたいな発言をしやがった。もう全部クソだよ!!クソまみれなんだよ!!クソクソ…
「んだよ!人がせっかく感謝してやってんのに!馬鹿らしくなってきたじゃないか!いいから素直に喜べよ!!」
自分のしてることにとんでもない恥ずかしさを感じながら、クソヤロウに持ってた花束を投げつけた
「馬鹿なことしたわ!本当にアホらしくなってきた!たまには娘らしいことしようとか考えるんじゃなかったよ!あんたのことムカつけど!産んでくれたことには感謝してるんだ!だからアタシの誕生日だけどプレゼントやるよ!受け取っときな!!」
一気にまくし立てる。親父は珍しく言い返してこない。恥ずかしさが燃料となって、普段以上に言葉が出てくる
「だいたいあんたはなぁ!!あ…」
恥ずかしさからうつむいていたアタシだが、悪態くらいは目を見ながらいいたかった。
顔をあげると同時に言葉につまってしまう。そこには信じられないものがあったから…
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