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「ん」
目を開けると、綺麗な木目の入った天井が視界を占める。
ここは?
何とか体を起こすと、今朝方訪れた叔父さんの別荘の一室だった。
手をゆっくり握っては開く。
それほど違和感はない。
足首と背中に若干の痛みがあったが、危惧した程の重傷ではないようで安堵した。
何故スキー場にいたはずの私がここにいるのかを考えたが、さすがに千佳一人の力では難しいことは容易に察せられた。
おそらくあの三人が関わっているのだろう。
まだ、彼らはここにいるだろうか。
というか、今一体何時――
ガチャっと音がして部屋の扉が開く。
現れたのは渡辺翔太だった。
「あ、起きた?」
「あ、うん」
「よかった。心配した」
他意のない言葉であることがわかっていても、その真剣な表情に少しドキリとした。
「大丈夫?痛い?」
「足首と背中、少し痛いけど、でも、大丈夫」
「うん、捻挫と打撲みたいだけど、骨に異常とかはないって」
記憶にないが、どうやら病院での診断はすでに済んでいるようだ。
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