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「将晴っ」
改札で将晴の姿を見つけて思わず大きな声が出た。
あれから二週間、外でのちゃんとしたデートは実に二ヶ月ぶりだった。
「ごめん、待たせた?」
「いや、さっき来たとこ」
嘘だ。
相当前からここにいた。
将晴って本当に分かりやすい。
「ごめんね」
「ん?何が?」
「ううん、なんでもない」
不思議そうに首を傾げた将晴だが、たいして気にした様子もなく「今日、映画でいい?」と話を続ける。
「映画?」
「嫌?」
「ううん、そんなことない」
私は映画を見ることがとても好きだが、将晴はそうでもない。
じっとしているのがあまり得意ではないのだ。
映画なんて珍しい。
「何見るの?」
「何でもいいよ。真奈美の好きなやつ」
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