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「あの、ごめん、今日」
「あ、うん、大丈夫だよ」
「ごめん」
「なんで。将晴が謝ることないよ。すごく、かっこよかった。大丈夫?怪我とかしてない?」
いつもの将晴なら、かっこよかったの部分で赤面くらいしてもいいものだが、今日の将晴は違った。
「真奈美」
真顔で、まっすぐに私の目を見て、私の名前を呼ぶ。
「はい」
自然と、敬語になった。
そうしないではいけないような気がした。
「結婚しよう」
将晴は、さらりとその言葉を口にした。
「絶対、幸せにするから」
言葉の最後に頬を染めたのは、やっぱり、将晴だった。
「はい」
その言葉は、驚くほどすんなりと自分の口から出た。
答えは決まっていた。
この人と人生を共にしたいという確信を得たのは、もう、ずっと昔のことだった。
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