第五章

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「あの、ごめん、今日」 「あ、うん、大丈夫だよ」 「ごめん」 「なんで。将晴が謝ることないよ。すごく、かっこよかった。大丈夫?怪我とかしてない?」 いつもの将晴なら、かっこよかったの部分で赤面くらいしてもいいものだが、今日の将晴は違った。 「真奈美」 真顔で、まっすぐに私の目を見て、私の名前を呼ぶ。 「はい」 自然と、敬語になった。 そうしないではいけないような気がした。 「結婚しよう」 将晴は、さらりとその言葉を口にした。 「絶対、幸せにするから」 言葉の最後に頬を染めたのは、やっぱり、将晴だった。 「はい」 その言葉は、驚くほどすんなりと自分の口から出た。 答えは決まっていた。 この人と人生を共にしたいという確信を得たのは、もう、ずっと昔のことだった。
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