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「ほらよ」
俺は直樹に向かって、今日の帰り際に受け取ったメモ用紙を差し出した。
「え、何?」
「何じゃねえよ。探し人の連絡先」
「え?見つかったの?」
人を派遣しておいてそこまで驚くとは何事か。
どうせ、見つかると思っていなかったんだろう。
「んー、よくわからん」
「え、どういうこと?」
俺は見てみろという風に、直樹の手元にあるメモ用紙を指差した。
メモ用紙には、携帯電話の電話番号とともに内海麻子という名前が書かれている。
「女?」
用紙を見た直樹が不思議そうに首を傾げる。
「まあ、そうだろうな。麻子っていうんだから」
「え、何?早川のお姉さんの彼氏探してたんじゃないの?」
「知らねえよ。その彼氏の連絡先を聞いたらこのメモ渡されたんだって。これを、彼女のご家族にっていうんだから、早川さんに渡してやってよ」
「ちょっと待ってよ。そもそも誰がそんな」
俺は、直樹に一連とのやりとりを説明した。
「マジか?コーくんは盲点だったわ」
直樹が担任をコーくんと呼んでいることを突っ込もうと思ったが、それについて話が広がっても困るのでやめた。
最近の高校ってゆるいんだな。
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