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「よくわかんないけど、とりあえず、これ早川に渡したらいいんだよね?」
「まあ、そうじゃないか。そうしてくれって言ってもらったメモだし」
よくわからないのは、俺の方だ。
なんだ、あの反応。
なんで、本人の連絡先じゃないんだ。
わからないことだらけだ。
「ありがと。さすが兄貴。まさか見つかるとは」
「俺だって驚いたよ。あだ名なんかで見つかるわけないと思ってたのに」
「それにしても『わんちゃん』ってなんなんだろ。犬?」
「さあ?それこそ、先生に聞けよ」
「確かに」
直樹とのやりとりが終わりを見せたかと思えば、突然「そういえばさ、お隣さんさ」と何故か高橋さんの話題を切り出した。
「お隣さんが何?」
「兄貴、あの人となんかあった?」
「は?どういうことだよ」
「この間真奈美さんに聞かれたとき、不自然に興味ないふりするから、なんかあったのかと思って」
不自然だったか?
先日の真奈美との会話を思い出そうとしたが、詳細な情報が出てこない。
「別に。先週夜コンビニ行ったら偶然会ったから、ここまで一緒に帰ってきただけだよ」
「やっぱあったんじゃん」
「ないだろ。何も」
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