第七章

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「でも、なんで渡辺?」 「宗佑と同等になりうる存在だから」 「同等?」 「うん」 「それは、学力的な意味で?」 だとするなら、他にも選択肢はあったはずだ。 渡辺はもちろん賢いが、試験で点を取れる奴はもっとたくさんいる。 「それは、最低条件。ある程度勉強ができて、何か自分に勝てる分野があって、そして、傍目から見てちゃんと釣り合いが取れる」 「釣り合い?」 それは。 「容姿ってこと?」 柳瀬のいうようなセレクションが実際に行われていたのかどうかは定かではないが、夏目が渡辺と柳瀬を選んだというのなら、当然それも選考基準の一つだったのだろう。 でなければ説明がつかない。 「そう」 「なんでそんな」 人間顔じゃないなんて綺麗事を言うつもりはないが、恋人ならまだしも友だちを顔で選ぶものだろうか。
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