第七章

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その時、「よお」という陽気な声とともにベッドを囲うカーテンが開かれた。 開いたのは、三十代の半ばくらいだろうか、細身の男性だ。 細身と言っても、加護さんと比較すると、という話だ。 服を脱げばそれなりに締まった体をしているのではないかと思わせるような雰囲気は持っていた。 「久高さん」 加護さんの驚いた様子から察するに、この男性が来ることは事前に知らされていなかったようだ。 先輩の刑事さんだろうか。 「どうしたんですか、暇なんですか」 「おい、それが見舞いに来た先輩に対する態度か」 「だって」 「残念ながらお前はおまけ。担当事件の重要参考人がここに入院してるんだけど、なんか医者に待たされてんの」 「ああ、なるほど」 加護さんが心得たような表情を見せる。 「あ、じゃあ僕は」と席を外そうとしたが、「あ、お話の途中にお邪魔して、すみません。すぐ帰るんで、大丈夫ですよ」と言われたことで、帰りづらくなってしまった。 「はい」と生返事をしてその場に立ちすくむ。
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