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夏目が、この病院にいる。
さっき、何て言っていた?
救急車からの搬送ということは、救命?
麻子と知り合いなのだろうか。
頭の中を様々な疑問が駆け巡った。
「え、医学部ですか?」
「あ、いや、そういうわけじゃないんですけど」
答えながら、意識はすでに夏目に向いていた。
あいつに、会いたい。
話したい。
夏目なら、夏目に話せば、すべてが解決するような気がした。
「あの、すみません、俺、失礼します」
「え」
「ありがとうございましたっ」
病室を後にして、廊下に出る。
ロビーまで降りると、案内板を頼りに走った。
救命。
救命。
廊下の向こうに、見覚えのある後ろ姿が見えた。
「夏目っ」
俺はその背中に向かって叫んだ――
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