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「はい。亡くなりました」
詳細については聞かれなければ話すつもりはなかったが、住職は「そうですか」と言ったきり、それ以上追求しようとはしなかった。
ただ、その腑に落ちないような表情を見ながら、何か気にかかっていることがあるのだということを察する。
「ひまわりですか?」
「え?」
「いや、邦浩の死に納得していないようなので」
「ああ」とわずかに心得たような表情を見せる。
「それもありますが、お金が……」
「お金?」
予想もしていなかったワードに、俺は思わず首を傾げた。
「もう、八年になるかな。毎月、お金が送られてくるんだ」
「え?」
「初めは月に十万、しばらくすると二十万に、三十万に。今では五十万ほど」
話の流れから推察するに、住職はそれを邦浩が送ってきたと思っていたようだが、もちろんそんなことはありえない。
では、宗佑が?
しかし、月に五十万、年間六百万はいくら医者とはいえ、二十七の夏目には大金だろう。
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