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「早川真帆って、知ってるか」
三池航平の言葉に、僕は懐古から引きずり戻された。
「知ってる」
僕の答えに対し、三池の目がわずかに見開かれる。
「面識は?」
僕はゆっくりと首を左右に振った。
「見たことはあるよ。彼女、図書委員だったから。でも、話したことはない」
「その子がすでに亡くなっていることは?」
「知ってる。メールが来たんだ。彼女の彼氏を探しています。誰か知りませんかって」
「メール?」
三池は怪訝な表情を見せる。
「ああ。同窓会用だか何だか忘れたけど、卒業式の時に全員メールアドレスを書かされたんだ。多分、それを使って一斉送信されてた。送ってきたのはうちの学年の人間だけど、頼んだのは多分彼女の遺族じゃないかな」
「いつ?」
「彼女の亡くなった二、三日後だったと思うけど、正確な日付は覚えてない」
嘘だ。
十一月二十三日。
彼女の命日の三日後にして、一徹の死ぬ前日のことだ。
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