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「夏目は、それが徹だって知ってたのか」
三池は自ら一徹の名前を出して尋ねた。
僕は一つ瞬きをして、首を振る。
「いや、知らない」
「にしては、驚かないんだな」
「早川の名前が出た時点で、大体予想は付くよ」
「そう」
複雑な表情を見せた三池は、一つ間を挟んでから、「なあ夏目、徹は、どうして死んだんだ?」と核心を突く問いを投げた。
「さあ。僕にはわからない」と僕は再び首を振った。
三池の失望したような瞳が僕の心を痛める。
まだ何か言いたそうなのに、しかし三池は、「そっか」と声を落としたきり黙った。
「突然訪ねてごめんな。また、何かわかったら教えてよ」
そう言って力なく笑った三池は、どうやらすでに会話を終息させようとしているようだ。
こう言っては何だか拍子抜けしてしまった。
僕が言うことではないが、こんな話で満足なのだろうか。
僕は内心首を傾げながら「ああ」と短く答えた。
「そうだ。さっき、倉科に会ったんだ」
腰を浮かしかけた三池が、先ほどよりも少し表情を明るくして言った。
「晃多?」
「そう」
これも久しぶりに聞く名前だった。
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