75人が本棚に入れています
本棚に追加
我慢できなかった。
君の笑う顔。
泣いている顔。
困っている顔。
怒っている顔。
喜んでいる顔。
その全てを、僕に向けてほしいと思う自分がいる。
僕の知らないところで、君が素敵な人と出逢って、結婚して。
そんな想像をすると。
誰かに向かって幸せそうに笑い掛ける君を想像すると、胸が張り裂けそうになる。
君の幸せだけを願えない僕に、君を愛する資格はないだろうか。
そうかもしれない。
それでも、ただ、好きだった。
「ん……」
小さく、君の声がする。
それだけで、大きく心臓が跳ねた。
ダメだ。
これ以上、ここにはいられない。
「ばいばい」
これで、最後だ。
彼女に背を向けて歩き出そうとした。
その瞬間。
最初のコメントを投稿しよう!