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「謝らなきゃいけないのは、僕の方です」
「……それは、本人に直接言うんだな」
僕らの間に沈黙が落ちる。
「食うか」と漏らした羽生刑事は、すでに運ばれていた前菜に手をつけた。
僕もそれに倣う。
「預かり物はこれくらいだ。さて、何から話したい?」
「何から、というと?」
「九年前、高橋千佳の父高橋道隆が殺害された。お前の父邦浩を犯人として、被疑者死亡で書類送検されたが、真実は違った。道隆を殺したのは、高橋千佳だった」
予想していたはずのセリフだったのに、それでもしかし、自分の鼓動の音が随分と大きく聞こえた。
「何を馬鹿な」
「それから一年と四ヶ月後、一徹がお前の目の前で人身事故によって命を落とす。しかし、これが事故だというのもまた誤りだ」
「事故じゃなきゃなんなんですか。自殺?それとも、僕が殺したとでも?」
「さらにその一ヶ月後、お前は渡辺翔太、柳瀬拓実とともに長野へスキー旅行へ行き、久保志織、高橋千佳両名と遭遇、久保志織が事故により負傷した後、突然お前と久保志織が交際を始める。旅行から帰ってくると同時にお前らの友情関係も終わりを迎えた」
「それ一体、羽生刑事に何か関係ありますか」
「長野で久保志織と会ったのは偶然じゃない。これは、渡辺と久保の両名による計画によるものだった。お前と高橋千佳の間に何かあるんじゃないかと疑った末の行動だった」
「へえ」と僕はわざとらしく相槌を打った。
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