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ほんの数分の出来事なのに
長くも感じ
短くも感じた
妙な脱力感に高揚感
感じた事のない感情が渦巻き、こそばゆくも暖かい気持ちに包まれた
私は塊に近づく
それは何の動作も見せない
「あぁ、…死んだんだ」
改めて感じた。
私が先程までの命をこの私の手で奪い取ってしまった
右膝を地面につけ、私は
『貴方を殺した事は悔やまない、私も貴方も生きる為だったから。』
何故か分からないが
涙が溢れ流れ、胸が苦しく締め付けられる
私は、この胸の痛みを知らない。
知らないけど、とても暖かいものだから…。
昔、誰かが言っていた。
“死んだものは心で生き続ける”のだと
ならこの熊も私の中で生きてくれればいい
『私は貴方に逢った事を忘れないし、貴方を殺めた事を忘れない。』
自分に誓いを立てるように穏やかな声で
木が多く草が茂っている山の中、凛とした声が響いた
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