第壱話

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第壱話

「人殺し!さっさとやりな!!」 女は綺麗な着物を身に付け、 目の前の少女を罵倒して いる ここは 日本の京都 格式ある老舗旅館のある一角 その場所では、女が少女に向けて怒鳴りつけていた 「お前はいつもいつも仕事が遅いのよ。“姉”の私がお前みた いな人殺しに仕事を与えてやってるのに。 時間までに 終わらせも出来ないなんて お前みたいな人殺し!! これでもかぶってなさい!汚いお前もちょっとは綺麗に見 えるんじゃない!」 姉と名乗るその女は、横にあった汚い水の入ったバケツを 少女の頭からかけ、びしょびしょに濡れた少女を嘲笑い罵るだけ罵り 立ち去っていった 当然辺りは水浸し、少女の服はお世辞にも綺麗とは言えなく、バケツの水をかぶった事により サイズの小さい煤汚れたワンピースが身体に張り付き、更に貧相に見える 少女は怒りか寒さ、どちらでもない感情を昂らせ、身体を震わ せていた
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