第壱話

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少女は、何も言わず目の前にある仕事をこなしていく 何時間経っただろうか 辺りは薄暗く、旅館の中居が忙しなく歩いている 少女がいるこの一角は、旅館の物置小屋と呼べる、広く もなく狭くもない、小さな部屋 この部屋は、少女の部屋であり、寝泊まりする大事な所でもある 少女は、時間を確認すると5時06分 少女は急いで小屋に入り、立て付けが悪いのか年期のせいなのか 滑りが悪い扉を閉める 何故急いで扉を閉めるのか それは、少女に課せられたルールにあった 1:朝は5時に起き、裏庭の掃除 2:朝昼夜の飯は自分で用意する 3:飲み水は、井戸を使う事 4:周りの命令に従う事 それが例え、少女を愚弄する事でも 5:夕方5時から一歩も小屋から出てはならない 6:返答以外、決して言葉を口にしないこと 以上が少女に課せられたルールである 少女の体は、成長が著しく発育が悪いのか16歳にして身長は149 、体重は30 体のあちこちには痣があり、肩から足先に至り骨が浮き出ている いつ出来たのかもわからぬ傷をさすりは、骨ばった体を寄せ合い必死に寒さを堪えている
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