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「どっちにしろ、あいつはいなくなって貰う。要らない存在だ。明日にでも山に連れて行く」
「わかったわ。“明日”ね」
私は明日捨てられる、こんなあっさりと。
惨めに、そして清々しさと
朝4時50分
私はいつも通り掃除をするために箒を持って小屋を出た
いつもと何ら変わりのない日常が
毎日見てきたこの風景も
すべて、何もかもが心の重みとなっていたのも今日まで…
私は晴れ晴れとしていた
こんな汚い所から抜け出せる、そう思うと気分が良かった
小さな時から脱け出す事を何度も何度も考えた。
日々の虐待に耐えながらも…
それで私は子供ながらに
業者が仕様する“裏門”を調べた
裏門は、使用人や仕入れた物等を持った業者が出入りする場所だ。
毎週の朝4時、発泡スチロールに入った魚を持った業者が裏門の扉を利用する。
また、それを厨房に持って行くため一時的に人が居なくなり裏門は、がら空きだ。
それでもその時間は、たったの10分程。
何度シミュレーションしただろうか。
私の足の速さなんて知らないし
そもそもどれだけの距離を走れるのかさえ私は知らない。
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