Prologue―青空―

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振り向くと同時に腕を掴まれ、引き寄せられる。 「一維……」 呟くと「大丈夫か」と顔を覗き込まれた。 そして一維は、戸惑う上級生たちを睨みつけ、低い声で言った。 「悪いけど、気安く話しかけないでもらえますか?」 一維のあまりの迫力に、上級生たちは逃げるように走り去っていった。 ほっと息をつくと、一維が私の腕を離した。 「……だから俺、一緒に行こうって言っただろ?平気とか言って、やっぱりこうなったじゃん。紗耶だってこういう展開、読めてたはずだろ」 口を尖らせて言う一維に「ごめん」と苦笑する。
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