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急いで警察に通報した。
どうすることも出来ずうろたえていると、警官が到着した。
「泥棒に入られたという家はこちらですか?」
「はい、どうぞ中へ」
散乱した本を再確認した。
「このありさまなんですよ。どう見ても泥棒でしょう?」
「こうなる前、あなたはどうしてましたか?」
「え、寝ていましたけど……その隙に侵入されたんですね」
「先ほど、地震があったことをご存じないですか?」
「地震?」
「大きめの揺れがありましたよ」
「知らないです。まさか、寝ていて気づかなかったって言うんですか?本が散らばっているのもそのせい?」
「おそらくそうでしょう」
「そうですか……お騒がせしてすみませんでした」
警官は帰っていった。
泥棒ではなくてよかった──そう考えながら片づけを済ませた。
夢で何かしていた気がする。はっきりとは覚えていないが、つまりそのせいで地震がわからなかったということになる。
夢の記憶があれば、その何かを二度としようとは思わないだろう。
一人で頷いて、読みかけの本を手に取った。
-終-
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