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「どうした?」
「あの生徒会長が嘘をついていたらどうするの?」
ゆりの質問に俺は、まぁ予想通りの質問だろうと考える…『嘘』…それはこの世で一番簡単な回避方法…だけど、嘘をつくにも条件がある…
「ゆりの意見はもっともだ…あの生徒会長が嘘をついていたら俺の推測は意味がない…」
「それじゃ…」
「だけど、俺は彼女が嘘をつくように見えなかった…」
「それは…勘?」
「勘…の部分もあるけど理由もちゃんとある…そもそも嘘をつくには二通りある…」
「二通り?」
「そう、まず前者が『嘘を言わなければいけない場合』」
「それって…大抵の人はそうなんじゃないの?」
「まぁ聞けって…それで後者が…『嘘をつく事で自分の不利益にならないようにするため』…」
「…それって…」
「そう…あの生徒会長は後者…嘘をつく事も簡単だが、嘘をつく事で俺やお前が障害になることを避けたかった…」
つく必要のない嘘…つく事でマイナスとなる嘘…人は無意識にそれを判断し嘘をつく…
「まぁ…あくまで推測の域は出ないんだけどな?」
「…充分よ…」
ゆりがなにか考える顔をし出す…まぁ…情報が足りなすぎるしな…論より証拠、百聞は一見にしかずだし…
仕方ない…
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