143人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「どこって…日本だろ?」
「真面目に答えないと子孫を遺せない体にするわよ…」
「それってゆりも「潰すわよ」All right、冗談抜きでいこう」
俺の言葉になんのツッコミも入れずにただただ真面目な顔をしながら答えてくる…
まぁ…実際のところ、気持ちは充分にわかるんだけどね…
「下にちらほら見えている奴らを見る限り日本なんだろうが…俺らに起こった状況を考えると、地球かどうかも怪しい…」
俺の言葉にゆりはうつむきながらも頷く…そう…俺とゆりはすでに…
死んでいる筈なのだから…
「…記憶はお互いにしっかりとあるみたいだな…」
「…ええ…忘れたいはずの…理不尽な記憶だけあるなんて…」
コイツは小学生ぐらいの時に誰もが死にたくなるような事を体験している…
自分も死にたい…そう思っていた筈なのに…強いコイツは生きていた…
俺の人生を救ってくれた恩返しの為に守りたいと思ったんだが…
「俺はゆりを…守りきれなかったって事か…」
俺はため息混じりに呟いた後に目を開けると…
「…………………………」
目の前に無言で俺を凝視しているゆりがいた…
最初のコメントを投稿しよう!