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「そっか…でも先にコイツを保健室につれていくわ…」
どうするか相談したいし、今はこの場にいるのは得策じゃない…
「……怪我、してるの?」
「あぁ、いくら『死なない』世界でも彼女に怪我をさせたままには出来ないだろ?」
あえて死なないを強調したのには理由があるが…どうでるかな?
俺が観察するように少女を見ていると…少女は表情をまったく変えずに…
「……それなら仕方ないわね…」
後ろを振り向きながら呟いた…俺は(おそらく)教室に戻ろうとする少女に声をかける…
「わざわざ教えてもらって悪かったな、えっと…」
「……生徒会長…」
…しかし彼女はそう言い残し…屋上を後にした…
「名前を聞きたかったんだが…」
「それはおいおいね…だけど色々収穫はあったんじゃない?」
「んま…とりあえずはな…」
俺はゆりの言葉に頭を掻きながら答える…まさか死んだ後で読心術や心理学が役にたつとはな…
「…聞いてる?」
「ん?それじゃ保健室に行くか」
「はぁ?なんでよ?」
ゆりの言葉をダルそうに聞きながら俺はゆりの右手に指を挿す…
「俺は基本嘘つきだが、お前に対して嘘はつかないぞ…」
「……そうね…」
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