ひとりじめ

きっかけ

「お待たせしました」

お店の人が頼んだものを持ってきてくれた。

「うわ～美味しそう」
「早く食べよ、食べよ」
「そうだね」
「いただきまーす」
「いただきます」

あたしはドリアを頼んだ。
梨沙はパスタを頼んだ。

「おいしいね」
「うん、すんごく」

「ねーねー、あすは好きな人とかいないの??」
梨沙がニヤニヤしながら聞いてきた。

もちろんあたしは
「いない!!!何回も言ってるでしょ??
ていうか恋愛に興味ないし!!」

「ふ～ん」
まだニヤニヤしてる…

「梨沙はいないの?
好きな人とか」
「いるよ///」

「―――いるの?!!」
「うん」

「どんな人、どんな人?」
「えっと…知ってるかな??千葉勝大くんっていうんだけど……」

千葉勝大……誰だろう。知らないな、うちの学校かな??
それとも他の学校かな??

「やっぱり知らないよね」
「誰なの?千葉勝大くんって」

「あすは芸能人とか興味ないもんね」
「うん、ない」

「もしかして芸能人?」「うん♪」

「なんだ…」
「最近人気の俳優さんなんだよ??」

「…………」
「明日、学校だからその時顔見せてあげるよ!!たしか昨日の雑誌に載ってたからさ♪きっとあすも惚れるよ～」

こういう話をするときは毎回すごい笑顔で話してくれる。でも芸能人には興味ない。