きっかけ

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<教室> 「あす、あす!!この人だよ??」 雑誌を机の上にひらく。 「これが千葉くんだよ♪かっこいいでしょ?」 「………」 若手俳優っていったっけ。意外にかっこいい????なんて。 「明日、握手会に行くんだー」 「握手会??」 「うん!!楽しみー」 「よかったね」 「あ、そうだ! あすも一緒に行かない?」 「どこへ?」 「握手会だよ!千葉くんの!!」 「いいよ、あたしは好きじゃないし」 「いいじゃん、行こうよ~」 「いいよ、梨沙があたしの分まで楽しんできて」 「あたし1人で行きたくないの~お願い~」 「でも…」 「んじゃ俺が行ってあげようか??」 大東漣…。 「は?結構ですー!!」 「なんでだよ、握手会行きたいんだろ?」 「―――!!」 「2人で行ってきたら??」 「嫌!!絶対嫌!」「てか千葉勝大って誰だよ」 「梨沙の好きな人」 「―――!!まぢかよ」 「本当、かっこいいんだから~」 「会ったことあんのか?」 「ないよ、だから会いに行こうとしてるじゃん」 「芸能人ってわかんねぇよ」 「なにが??」 「裏ではひでぇー奴かもよ」 「そんな事言わないでよ」 私もそう思う。 芸能界の人なんて何してるか分からない。 「千葉くんは違うもん」「どうだか」 梨沙が漣を睨んだ。 「ねぇあす~行こうよ!!用事でもあるの??」 「ないけど………」 「んぢゃあ行こうよ♪」「ごめん、梨沙も知ってるでしょ?あたしが芸能人あんまり好きじゃないこと」 「…………」 「だーかーら!!俺が一緒に行くって行ってんだろ」 「ほら、大東さんがそういってるじゃん」 「……分かった、いいよ一緒に行こ!!」 「ごめんね、梨沙」 「今度、絶対行こうね」 「あのさ」 大東漣が言った。 「ん??」 梨沙が大東漣をみていった。 「あ、ちがくて」 「……!あ、あす??」 「うん」 「え、あ、はい」 私は急いで返事をした。なに言われるんだろ... 「あのさ、俺のこと大東さんじゃなくてさ、漣って呼んで」 「あ、はい。スミマセン...」 「あと敬語じゃなくていいから」 「はぃ……うん」 漣か.... なんか呼びにくいな... そんなに仲がいいわけじゃないし.... 「俺はなんて呼べばいい??」 「…なんでもいいよ」 「一番困るし...梨沙決めろ」 「えー、あたし??...あすでよくない???」 「あす...了解。今度からあすって呼ぶ」 「わかった」
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