きっかけ

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<帰り> 「梨沙、一緒に帰ろ♪」「あー、ごめん今日バイトなんだ…」 「そっか…分かった! 頑張ってね、バイバイ」「ごめん、バイバイ」 あたしたちはお互い手を振り合い別れた。 ……今日、家の鍵忘れたんだ。 ―――最悪 お母さんが帰らないと 家には入れない…… お母さんが帰るのは8時頃。 どこかで暇つぶしでも しようかな……。 今日に限って最悪。 今は5時ちょうど。 お昼食べてないからか すごいお腹が減ってきた。 夜ご飯もう食べちゃおうかな。 1人で行ったことのない近くのお店にいった。 お店の人に連れられ隅の席に座りすぐ食べたいものを頼んだ。 周りはほとんどがカップルや友達同士できている中学生や高校生だった。 真ん中の席で大人数で盛り上がっている人達がいた。 なにかの打ち上げかな?時間的には早いけど… でもみんながみんな夜にやるわけでもないか… すごく賑やかで、楽しそう。 お店のキッチンのようなところからお店の人が頼んだものを持ってきてくれた。 「おいしそ~」 なんて小声で独り言を。 うわ、なにこれ、すごい美味しい... 10分もしたか、してないかくらいで食べてしまった。また太る... 今は6時。 少し一いっぷくしてからレジに向かう。ちょうど真ん中の席に座っていた大人数の人達も会計をするためにあたしの後ろに並んでいる。 その人達の1人が 「俺、払っとくから先に行ってていいよ」 「そうか?ありがとう」と、みんな先に行った。 「だる」 残った1人が何かを呟いた。 あたしはなぜか反応して後ろを振り返る。 「………」 なんか見たことのある顔。あたしの学校ではない。もちろん友達でもない。みたことがあるだけの人。 見つめてしまう。 「……………」 「なに、あんた」 めんどくさそうに、その人は言った。 「――!!あ、いや、なんでも「じゃあ人の顔じっとみんなよ」 「スミマセン……」 「早く、会計してくんねぇ?」 前を見るともうあたしの順番だった。
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