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トンネルの半分の所に来ると急に寒気が襲い、此処から出たいと駆け足になった。すると突然、女の子…
いや、20代あたりの女性が手を広げ、前に立ちはだかった。「待って…」今にも消えそうなか弱い声。暗く寂しいトンネルで木霊する。
「貴女は誰だ」
「あの…私ある方を探しているのですが、その方とは某会社の社長の息子さんで、私はその方のお見合い相手なんです。けれど先程作業場を伺ったのですが、いないということだったので…」
彼女の目は明らかに私が社長の御子息だと見透かしていた。いや、元々知っているような目つきだ。それに初めて会った気がしない。何処かであっただろうか。
「一つ聞いても宜しいですか?貴女は何故スーツを来ているのですか。まるで何か仕事の最中の様にも伺える。
本当は貴女は父の秘書ではないでしょうか…うっ!?」
突如として何者かに頭を岩のような物で打たれた。朦朧とする最中誰かが『それ』を取り上げようとしていた。が、抱くようにし、離さぬように邪魔する者を拒んだ。
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