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「にゃー」
不意に猫の声が聞こえる
声が聞こえた方向は小学生の時アタシの支配下だった時計台からだ。
支配下といえども争ったことはアイツとくらいだが。
ただの時計台周辺の領土めぐりの問題だ、今にしてみたら微笑ましくかわいい領土問題だ。
「おっ猫がひなたぼっこしてるじゃん」
そうつぶやいた、独り言なんて寂しいことしたもんだ、なんて思いながらあたしはもう少し猫の様子をみていた。
ベンチに寝転び、まるで天敵がどこにもいないかのようにだらけきったその体勢はまるで中年のおっさんだ。
いや、よく見るとあの猫ボス猫なのか?メッチャデブ猫じゃん。
あたしはしらないうちにその猫に近づいていった。
「ほーら猫ちゃんあたしだよデブ猫ちゃん」
なんて呟きながらあたしは撫でようとしたその瞬間
「フシャーッ」
突然の威嚇だよ、突然の。
あたしはか弱いJKだってのになんだよこのデブ猫、女にやさしくしないともてねーぞ!
なんて思っても一向に威嚇をやめようとはしない。
「おい人間、ここは俺の席だ!はいってくんじゃねえ」
なんて言い出しそうなくらい険しい顔をしていらっしゃる。
「おいサブ!やめろ」
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