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私には悪癖がある。
皮相浅薄な考え、
それは私にとって、
なんたる短所ともならなかったのだが、
この日、
初めて後悔することになった。
「ふー、やっとついた」
その日、私は一人暮らしを始めるために、苦労して見つけたマンション、
幻想館――
へ、引っ越してきた。
「やっとついたんだなー、早苗」
私がマンションを見上げていると、一人の少年が話しかけてきた。
茶髪の髪に、キリリとナイフのような目付き、学ランで、前を無造作にあけている、まさに不良と言った少年、幼なじみの東雲大地(しののめだいち)だ。
「あ、はい。かなり時間かかりましたよ。なんせ二三回迷いましたからね」
私は、疲れてため息をはくと、大地がいつも通り笑ってくる。
「いつもの皮相浅薄な考えだな。そんなんでよく引っ越し手続きとかできたな……」
そして、最後には何故か関心される、これもいつも通り。
長い付き合いだから、お互いをよくわかっている。
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