第一話:いぬと巫女

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「まあ、神奈子様とかかなり過保護にやってくれましたから……」 「あー、あるある。あの二人ならな」 大地はうちに何度か来たことがあるので知っている。 うちは神社で、私は巫女をやっていた。当然神様がいて、その二人が、私の親代わりをしてくれていた。 「まあ、いいや。荷物運び手伝いにきてやったぜ」 「……って、もっと早くきてくださいよー。もうほとんど終わっちゃいましたよ!」 「あー、そうなん? あとそれだけかー」 のんきに笑っている大地。 っていうか、この人、昔から頼りなかったなー、と思う。 まあ、それでも優しいから私は嫌いじゃないけど―― っと、荷物を運んでいたら、もう部屋の前に来ていた。 人が住む部屋があるのは二三階と決まっているようだ。 私の部屋は三回の四号室。 「ちなみに俺は三号室だから、ようがある時は呼べよな」 じゃーな、と軽い挨拶で去っていく大地。彼はいったい何しに来たのだろう……。
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