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「まあ、神奈子様とかかなり過保護にやってくれましたから……」
「あー、あるある。あの二人ならな」
大地はうちに何度か来たことがあるので知っている。
うちは神社で、私は巫女をやっていた。当然神様がいて、その二人が、私の親代わりをしてくれていた。
「まあ、いいや。荷物運び手伝いにきてやったぜ」
「……って、もっと早くきてくださいよー。もうほとんど終わっちゃいましたよ!」
「あー、そうなん? あとそれだけかー」
のんきに笑っている大地。
っていうか、この人、昔から頼りなかったなー、と思う。
まあ、それでも優しいから私は嫌いじゃないけど――
っと、荷物を運んでいたら、もう部屋の前に来ていた。
人が住む部屋があるのは二三階と決まっているようだ。
私の部屋は三回の四号室。
「ちなみに俺は三号室だから、ようがある時は呼べよな」
じゃーな、と軽い挨拶で去っていく大地。彼はいったい何しに来たのだろう……。
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