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「私ではなく、おそらく神奈子様が手続きをしてくださったのでしょう……」
しかも……。
私が、彼をちらっと見る。
彼はにこっと微笑むと幸せそうに笑っている。ああ、振りまくっている尻尾が見えるようだ……。
とても良い方だから、断りづらいし……。
はぁ……でもそれだと私らしくないしなぁ……。
「あのー、今からでも契約破棄できないでしょうか?」
「では……」
またも、彼は刀を取り出す。
「だからって、死なないでください!」
「しかし、早苗さまのお世話をする為に存在する僕が他に何をして生きればいいのか……」
「昨日までの生活に戻ればいいじゃないですか!」
「もう忘れました」
彼はまたにっこり微笑む。
「いいんじゃない? イケメンボディーガードだし」
「大地くんは黙っててくださいねー」
相変わらず適当な人だなぁ……この人……。
「どうぞ、僕の事など、ご都合の悪い時は捨ておいて、宜しい時だけでも使って頂ければ幸いです」
彼はキラキラした笑顔を見せた。
本当に心から幸せなのかな?
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