【4】聖 六郎太

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「部員も五人に増えたから正式な部活にしたいけど、手芸部を良く思わない先生は多いわ」  それはそうだろう。  屋上立て籠り、手芸部室爆破、放送室をジャックした上での爆破。  十分に寛大だ。退学にならないだけマシだと思う。  因みに、五人目の部員は茜子だ。  手芸部に入部するためだけに、わざわざこの学校に転校してきたのである。  兄の僕が言いたくないけど馬鹿だと思った。 「五人になったのは良いことだけどさ、それと通り魔にどんな接点があるの?」 「要領が悪いわね――」  朝陽が振り返る。その顔は何故か得意顔で、その表情には家に帰りたくなる気持ちにさせる魅力がある。 「そいつを捕まえたらアタシ達の株は上がるってことよ」  僕ならその株は絶対買わないな、朝陽が付いてくるなら借金してでも全力で売る。 「つまりこういうこと? 僕達手芸部で通り魔を捕まえる」 「そ」  淡白な返事で髪をかきあげる動作は悔しいけど様になっている。  この美少女の人格が朝陽なのが本当に勿体無い。 「止めた方がいいんじゃない? 僕以外は女の子だよ?」 「アンタって、一応アタシのことを、女として見てたんだ」   朝陽が意外そうな顔をする。  朝陽に関しては二割程しか見ていないのは内緒だ。  バレたら包丁で刺されそうだし。
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