プロローグ 黒の堕龍

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――――――――――――――- 繁栄と栄光の溢れる街。 ――ネオドミノシティ。 幾度も訪れた滅亡の危機を乗り越えたこの街は今もモーメントと共に発展を続けている。 そのように技術の進歩を助けるモーメント装置の第一号機がある『旧バッドエリア』。 深夜の闇に包まれたそこで……一方的な虐殺が行われていた。 黒衣の女性 「行きます。《ダークエンドドラゴン》で貴方にダイレクトアタック」 『――、―――――――!!』 マーカー付き 「ぐ……嘗めるなぁっ!罠カード《聖なるバリアーミラーフォース》発動!これでテメェのモンスターは全滅だ!」 淡々とした声で自分が使役する『龍』へと命令を下す女性。 その声に応え、吼える『龍』を前にした男は全身から汗を垂れ流しながらも怒りの声を挙げて反撃の手段を発動させる。 しかしそれに対して女性が能面の様な無表情を崩す事は無く、手札から引き抜かれたカードが男の最後の抵抗を叩き潰した。 黒衣の女性 「速攻魔法(我が身を盾に)を発動。ライフを1500払う事でその破壊効果を無効にします」 女性 LP8000→6500 マーカー付き 「な……んだとっ!?」 己を守る為に仕掛けた最終手段を粉砕され、その厳つい顔に驚愕と絶望を貼り付ける男。 そうして恐怖から後退りする男を一瞥した女性は詰まらなそうに鼻を鳴らす。 黒衣の女性 「今ので終わりですか?……なら、私の勝ちですね」 マーカー付き 「ま、待て……待ってく―― 黒衣の女性 「永劫の闇に堕ちなさい。ダーク・フォッグ」 マーカー付き 「があぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 男 LP2100→0 闇に溶ける様な黒色の龍の腹が大きく裂け、そこから顕れ噴き出されるのは闇の奔流。 その流れがマーカー付きの男へと激突し、男は本来のソリッドビジョンでは有り得ない筈の痛みを訴える悲鳴を挙げる。 そして――その悲鳴の声が止んだ時にはそこに男の姿は無く、有るのは男が着ていた服とまだ稼働の光を灯したままのデュエルディスクだけだった。
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