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???
『もうすぐ夜も明ける。一度帰ってきて休むといいよ』
黒衣の女性
「計画は何時から?」
???
『今から丁度24時間後……かな?どうせ計画が発動すればこの街は夜に閉ざされるんだ。残り少ない夕焼け位、彼らに見せてやってもいいだろう』
黒衣の女性
「……わかりました。今からそちらに帰ります」
???
『うん、待ってるよ』
黒衣の女性
「はい……。それでは」
会話を切り上げ、通話を切った女性は懐に電話を仕舞う。
そして、女性の視線は再び自分の背後――男の遺品へ。
主が消滅し、残されたカード達が夜風に吹かれて宙を舞う。
木の葉の様に舞ったその中から少女が掴むのは1枚のカード。通常とは違う白の枠で絵柄を囲むそのカードを彼女は眺め、おもむろに握り潰した。
黒衣の女性
「……行こう、ダークエンド」
『――――――』
女性の言葉に、彼女の背後に控えていた黒龍が唸り声を1つ。
同時、ソリッドビジョンで再現されていた黒の巨体が破砕。
極彩色の粒子と変換されたそれは、まるで吸い込まれるかの様に女性の右腕へと集う。
そして――その輝きが全て腕へと吸収された時、彼女の腕に浮かび上がるのは赤の紋様。
V字型をしたその赤は、龍の背負った双翼を模した痣。
それはかつてこのネオドミノシティを救った者達の腕に刻まれていた『星の民』の証――。
『シグナー』の痣だった。
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