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翔のわがままでゲームセンターにやってきた。
私はそこでもやはり暇で
翔の気がすむまで外で待っていることにした。
キャー
女の子の悲鳴が聞こえた。
私は気になって悲鳴が聞こえた方へ足が進んでいた。
「……」
私が見たのは、女の子がいかつい男に無理矢理連れていかれそうになっているところだった。
(周りで見ている奴らは助けようと思わないのか?)
敵わないと思いながらも私は男に向かって
「その手を離せよ」
そう言葉に出していた。
「なんだと?」
男はそう言いながら、女の子から手を離し、気づいたときには私の腕を掴んでいた。
「生意気だな…お前がかわりになってくれるんだな?」
ニヤニヤと厭らしい顔をしながら私は今さら逃げ出せないと気づいた。
その時――ボコッ―
鈍い音とともに男の手が離れ、力強いが優しい男の手にひかれて走り出した。
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