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「なみ…」
キーンコーンと
無機質なチャイムが鳴った
…授業始まっちゃった
これじゃあ私も佐藤君も、もうサボリになっちゃうかな?
「奈美、俺…」
「うん、いいから」
何も言わなくて
「岸本が俺のこと好きだろうって、知ってたよ」
「…うん」
「だから、俺のせいで奈美がつらい思いするから、俺、もう奈美に関わるのはやめるから」
「…………」
「無責任だけど、それくらいしかわからないから。俺が奈美から遠退いたら、岸本も多少は気がおさまると思うんだ」
「……うん」
「奈美に関わっても迷惑しかかけないなら、関わらない方がいい。」
佐藤君は、初めて泣いた
ぽろっと、目から雫を落とした
…今分かった
誰にでもつらい思いをさせてたのは、実は私だったのかな…
「大好きだったよ奈美。これからはただのクラスメイトな」
私は廊下を後にした
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