悲壮

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私は前田君よりも少し後ろを歩いた 斜め前を歩く彼を見ながら私はとても肩身が狭かった だって、生徒達は私と前田君を交互に見てはひそひそと耳打ちをする 私のせいで、前田君が 学校を離れたところで私は小さな声で彼に言った 「前田君、私のことは放っておいてもいいよ?」 「…なんで?」 前田君は振り返らずに言った 「なんでって…」 ふと立ち止まって振り返った彼。その顔は、いつも通りの前田君の顔 「周りの反応のこと言ってるんでしょ?」 「……」 前田君は私の顔を見て柔らかく笑った 「松浦さんは気にしなくていいよ。俺は周りからの評判とかは気にしないから」
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