650人が本棚に入れています
本棚に追加
前田君はそう一言だけ言ってまた前を向いて歩き出した
それを見て私も彼のあとを歩く
少し後ろを歩いていたと思っていたのに、前田君があわせてくれたのか、いつの間にか私達は二人肩を並べていた
なにも言わない前田君の優しさに、私は涙が出そうだった
桜ヶ丘に着いて別れるとき、前田君は言った
「俺はいつも自分でしたいようにしてるから、松浦さんも俺には普通にしてて。じゃあ、また」
そう言って彼は背を向けて歩き出した
「またね…」
なんだか、悲しいのか嬉しいのかわからないけど
涙が出た
最初のコメントを投稿しよう!