妖精の仕業です

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さて場面は変わり、時は舞が寺子屋に行く数時間前にさかのぼる 場所は湖にたたずむ紅き館、紅魔館という所だ 普段そこには、あまり人里等に住む一般人などは近寄ることはない その理由というのも この館には、彼の吸血鬼であるツェペシュの末裔(自称)を名乗る恐ろしい吸血鬼が主をしていたり 門にはチャイナドレスを着た拳法の強そうな門番がずっと門前に立っていたり 館内にはその主に仕えているナイフを自在に扱う完璧瀟洒なメイドがいたり 他にも真っ赤で目に悪いから、等の理由が多々あるなどして そういった噂が一人歩きしたゆえ、人々は館には近寄りたがらないのだ しかし、そんなある意味恐ろしい吸血鬼の館に、たった今怖いもの知らずな四人の少女が向かっている その少女達が館に向かう目的は至極単純、ただ自分達の好奇心がスリルと刺激を求めるからというだけ それらを満たす事が出来れば、どんな危険でも侵す事ができる彼女達の無謀さは、最早吸血鬼の恐ろしさすら凌駕するかもしれない 馬鹿集団と言ってもいいのだが、ふとその内の一人が張り切った声で気合いを入れるためなのか、掛け声をする 「さぁ、行くわよみんな。館が私達を呼んでるわ!!」 別に呼んでない、館からそんな返事が返ってきそうな掛け声をすると共に、全員は館へと足を進める これから待ち受ける危機と未知なる体験に心を躍らせながら その紅き館へと四人の少女は足を踏み入れたのだった……
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