3・打ち上げ

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「カンパ~イ!!」 ライブハウス近くの居酒屋でChain reactionのメンバー達との打ち上げ。 「いやぁ~、Jewel Wingを前座にしたの大失敗だよ!」 Chain reactionのリーダー、雅也が口を開いた。 「ホントすみません。」 拓也が謝ると 「いやいや、謝る事はないんだけどね… それにしても、よくこれだけのメンバー集まったよな。 昔からの知り合い?」 「俺と英太…ベースはそうだけど、あとは違います。 どうしてですか?」 「あまりにも息がピッタリだったからね、昨日今日知り合ったメンバーじゃないって思ったんだ。 特にギターとボーカルはね…。」 「一番仲悪いんですけど…。」 陽美が口を挟む。 「え~っ?あんなピッタリ息が合ってるコンビなんて、そうそう居ないよ!」 「まぁ…音楽だけはね…。」 終始仏頂面の陽美に 拓也が 「俺は陽美ちゃんと仲良しのつもりだよん。」 と微笑みかける。 「気持ち悪いんだよ!黙って一人で食ってろ!」 二人のやり取りを見ていた雅也は 「なんとなくわかった…。 お前が一番大変みたいだな?」 英太にそう言って笑った。 30分ぐらい経った頃、雅也の携帯が鳴った。 「もしもし、今○○○っていう居酒屋に2バンド一緒に居ます。 はい、わかりました。」 電話を切った雅也が 「もう少ししたらスカウトの人来るよ。」 と言ったので、拓也は 「俺達居たらマズいんじゃないですか?」 と、少し戸惑いながら聞いた。 「いや、Jewel Wingも一緒にって事だから。」 「そうなんですか!?」 礼二が驚いて声をあげた。 「あぁ。 さっき楽屋で声掛けられたんだけど、落ち着いてから話したいって事で打ち上げに来てもらう事にしたんだ。」 拓也達は、突然の話しに顔を見合わせた。 と、英太が 「スカウトの前ぐらい、ケンカはしないでくれよ。」 陽美に言うと 「大丈夫だよ…。」 陽美が膨れっ面で答えた。
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