4・運命

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「まぁ、ルックスは悪くないけど…あれは男ですよ。」 「男?」 「口は悪いし、切れるとすぐ殴るし…俺も殴られた。」 「そんな野蛮な人なの…? あっ、もしかして、カラオケで拓也君を殴った子?」 「はい。 あれから、サイトの募集に応募してきたんで、会ってみたらアイツだったんですよ。」 「へぇ~… ナンパして、偶然カラオケで会って、募集記事に応募してきて……なんか運命的だね…。」 「うん…俺も、待ち合わせの喫茶店に来たアイツの顔見た時、ちょっと思いました。」 「なんか妬けちゃうな…。」 「やめて下さいよ! 運命的なもの感じたのは音楽だけで、女としては論外ですよ。」 「そうなの…?」 「もちろん!あんなのと付き合ったら一週間で入院ですよ!」 そう言って笑う拓也と一緒に笑いながら…心から笑っていない自分に戸惑う彩子だった。
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