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「それだけじゃなくてな…」
「なんだよ?」
「思いっきりケンカ出来る相手が居るっていうのも、楽しいもんだぞ。」
「…ケンカしてもムカつくだけで楽しくないぞ?」
「ハハハ…
でも、拓也とは何にも遠慮しないでケンカしてるだろ?」
「まぁね…
確かに、あそこまで思いっきり文句言えるのはアイツが初めてかもしれないな…。」
「だろ?
そおゆう相手ってありがたいもんだぞ。」
「ふぅ~ん…そんなもんかね?」
「ま、そのうちわかるよ。」
店主は、父親のような優しい目でそう言った。
「じゃあ、また来るわ。」
そう言って帰って行く陽美の顔には、東京へ出て来た頃の明るさが戻っていた。
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