転入、出会い

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** 「金澤皐月です。よろしくお願いします」 職員室で担任の先生に挨拶し、教室へ行き、また挨拶をする。 「金澤の席は…あそこに座って」 先生に言われた席は窓際一番後ろという最高の場所。 さっきの男子のこと以外は、運がいい気がする。 席につくと、前の席の女の子が振り向いた。 「私、市川鈴華。よろしくねー」 「よろしくね、市川さん」 「鈴華でいいよ。すーずーかっ」 「じゃあ……鈴華ちゃん」 「むっ……まぁいいか。ねっ皐月ちゃん。もしかしてさっき職員室のま……」 「おい、市川と金澤。静かにしろ」 鈴華ちゃんとしゃべっていると先生に怒られた。学活中だから当たり前だけど。 「ちぇっ。はーい、なっちゃん先生」 「おいっなっちゃんって言うな!」 あはは、とクラスの生徒たちが笑う。 中川陸雄先生。 通称なっちゃん先生。 まだ詳しくは知らないけれど、20歳前半で反応が面白いからと生徒たちから慕われているみたい。 「じゃあ今日の連絡は…」
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