いきなりすぎてついていけない

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気持ちのいいきれいな春の空。 そんな空が私にはきれいな青に黒い絵の具が混ざったように見える。 隣には母。 目の前にはスタープロモーション本部。 これからのことを思うと期待でドキドキする……なんてのは少しもない。 むしろ寒気がするぐらいだ。 「皐月、そろそろ行くわよ」 「はーい」 足が重い私とは裏腹に母は足に羽がついているかのような軽い足取りでどんどん行ってしまう。 スカウトされたことを言ったとたん、母は目を輝かせて喜んだ。 私はてっきり反対されるかと思っていたので驚いた。 今日、事務所に行くことを母は楽しみにしていたらしい。 「さーつき、早くしなさい!」 憂鬱だ。 私たちが受付に行くとこの前の……誰だっけ。 代表さんがいた。
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