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「これはこれは。お待ちしておりました」
私たちが代表さんのところへ行くと笑顔でむかえてくれる。
「私はスタープロモーション代表、東条楓と申します。これからよろしくお願いしますね」
だい…東条さんは母に挨拶をする。
挨拶をされた母はなぜかうっとりとした表情で挨拶を返した。
……東条さんは確かにかっこいいが。
「ではこちらにどうぞ」
そう言って東条さんはエレベーターに乗り込んだ。
私と母もあとにつづく。
エレベーターの中では東条さんと母が会話をしていたが、すぐに目的の階に到着した。
「ではこちらへ」
長い廊下を3人で歩いていく。絨毯がひかれていて、ここが事務所だとは思えない。
廊下の突き当たりにその部屋はあった。
「……」
声もでないほどの立派な扉がそこにあった。
輝かしい金色、細かい装飾、扉の大きさ。とにかくすごいとしか言い表せない。
コンコンッ
「社長、東条です。例の子をお連れしました」
「どーうぞっ」
ギギッと扉を開く音がした。
「あなたが皐月ちゃんね?」
「……はい」
恐らく社長と見られる女性がそこにいた。
「私はスタープロモーション社長。沢田琴美と言います。お母様、皐月ちゃん、よろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
私たちが挨拶を交わすと、東条さんは話し始めた。
……なんでわざわざ社長室で話すんだろう。だけど母はそんな疑問はまったくないみたいだ。
なぜか嫌な予感……悪寒、寒気に近いものを感じます。
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