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学校に着くと教室が盛り上がっていた。
そして、なぜか遅刻常習者の翔太も居る。
「どうして、翔太がこんなに早いんだ?」
雪でも降るのだろうか。
まあ、それぐらい珍しいと言う事だ。
「何言ってるんだ雄也。今日は転校生と教育実習の先生が来るんだぞ」
それを聞いて納得した。
「何で知ってるんだ?」
俺でさえ春姉の事は今日の朝知ったのに。
「そんなのみんな知ってたぜ。それに昨日見たんだよ」
今の翔太の顔がエロ親父のようだった。
軽くひいた。
知り合いじゃなかったら完全に。
「二人ともすごく可愛かったんだ!」
すでに結果は読めていた。
「ふーん。そっか。まあ、俺はどうでもいいけど」
かったるい。
「相変わらずね、雄也。やっぱり貴方は面白いわ」
「人を遊びの対象にしないでくれ、美沙」
あんまり巻き込まれるのは好きじゃない。
「おはよう、雄也。本当に変わってないね」
つまり俺は子供のままと言う事か。
「おはよう、真由香。そう言う事は翔太にでも言ってくれ。少し傷ついた」
真由香の天然さは本当に怖い。
「ご、ごめん。分かったよ、次からは皐月君だけに言うから」
ドンマイだな翔太。
でも、翔太は聞いてなかったみたいだな。
「なあ、美沙。翔太の言ってる事は本当なのか?」
念のため確認しとく。
美沙は校内のあらゆる情報を知っている。
だから、美沙に逆らえない人も多いらしい。
(味方でよかったな)
「本当よ。結構ちゃんとした情報源だから、99%本当よ」
“ちゃんとした”ってどこなんだろうか。
疑問に思ったが聞かない方がいい気がした。
「まあ、間違ってたらその人、痛い目見るだろうけどね」
鳥肌が立つ、それに身震いもした。
「それよりも私は転校生の子と仲良くしたな」
真由香は普通だった。
ある意味すごい奴だと思う。
「みんな席に着きなさい」
担任の先生が来た。
いつの間にかチャイムが鳴っていたようだ。
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