季節外れの転校生

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「小鳥遊ってこの町初めてだよな?」 改めて確認してみる。 「うん。初めてですよ」 「じゃあ、早く終わったし、今からとっておきの場所に行くか」 4時過ぎに学校を出て、今は5時十分前だ。 行こうとしている場所にはちょうどよかった。 「どんな場所ですか?行きたいです」 賛成のようなので安心した。 「まあ、それはお楽しみと言うことで」 気づくと初めよりの話せるようになった気がした。 「くしゅんっ…………」 小鳥遊はくしゃみをして、寒そうにしていた。 そいえば、今日は一段と冷え込むと言っていっていたのを思い出した。 「寒かったら、これ着てろよ」 俺はそう言って、学ランを差し出した。 どこのギャルゲーの展開ですか。 言ってなんだが、恥ずかしい。 「だ、大丈夫ですよ…………くしゅんっ」 小鳥遊は言ってるそばからくしゃみをした。 「お言葉に甘えて…………」 最終的には学ランを羽織っていた。 俺は今日、中にセーターを着ていたことをよかったと思った。 貸しといて思ったが、少し寒い。 でも、我慢できる範囲だった。 「さあ、着いたぞ」 しばらく歩いて、着いたのは丘の高台だった。 「うわぁ…………きれい…………」 目の前にはちょうど大きな夕日が海に沈んでいる。 ここは地元でも有名なスポットだ。 「来て損はないだろ、ここは」 いつ見てもきれいだと思った。 「うん!ありがとう、榊君。案内してくれて」 小鳥遊は興奮したように胸を踊らせている。 「ど、どういたしまして」 しばらくはこの景色を眺めていた。
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