季節外れの転校生

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「あら、それは心外だわ。私は雄也を信じてたのに」 もうこういった演技には慣れた。 いや、慣らされたの方が正しい。 「そりゃあ悪かったな」 「やめなよ、美沙。委員長さっきからこっち見てるよ」 後ろから美沙を止める声が聞こえた。 「何言ってるの、真由香。寧ろ好都合じゃない。どちらが上かはっきりしようじゃない」 なぜか美沙は対抗心を燃やしている。 (そういえば、美沙と委員長、対立してたんだっけ…………) 以前はそんな噂が流れていた事を思い出す。 今美沙を止めたのが渡邊 真由香(ワタナベ マユカ) 俺とは家が近く、いわゆる幼馴染と言うやつだ。 いつもこうやって止めているようで、止まっていない。 と言うより火に油を注いでいる感じだ。 「やめとけ真由香。余計にややこしくなるだけだ」 でも、もうなりかけてるけど………… まあ気しない。 気にしたら負けだ。 「なあ、納涼お化け屋敷なんてどうだ」 次は前から声がする。 余計にめんどい事になりそう。 「あら、たまにはいい事言うのね、翔太。雄也より使えるわ」 (これは侮辱と受け取っていいのか?) 何だか抗議したい。 それ程悔しい。 皐月 翔太(サツキ ショウタ) お調子者でいじられキャラだ。 こいつにも美沙とは違った風に、巻き込まれる。 まあお気楽な奴だ。 「どうすんだ?後10分だぜ。俺の案採用したら?」 何だかムカつく。 「お前の案が通されたら、このクラスは終わりだ」 「それもそうね。私が思い描いてるのと、翔太が考えてるの違ってそうだし」 美沙もさりげない。 「二人してひどいだろ。てか、美沙は味方じゃなかったのか!?」 今更気づいたのか。 それより、美沙の計画が全く見えてこない。 「そんなの当たり前でしょ」 蔑むような目線、それに毒舌。 まさにSだ。 「やっぱり、あの頃の皆とは違うんだね」 あの頃っていつだ。 最初からこんな感じだった気がする。 「皐月君ならしょうがないよ」 真由香それフォローになっていないぞ。
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