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「おまえ、りおに何をしようとした?」
ハンカチを握り拳を作ったままわたしの脇を通り過ぎて腰を抜かした男の前に悠然と立った。
「俺の連れに何をしようとした?」
奏さんの声が低く唸る。
「…な、なにも…」
「嘘つきやがれ。その半分下がったチャックはなんだよ」
横から怖い声を出したのは仁さん。
「強姦しようとしていたんでしょう」
榊さんも告げた。
「………」
顔色をなくした男が、すでに伸びてぐったりしている脇に転がっている金髪の男を指差した。
「俺じゃない!ヤろうとしてたのはこいつだ」
「見苦しいですね」
「ホントだ!俺は何もしてない!」
「…………」
男が唾を撒き散らして喚き立てるのを奏さんがじっと見ていた。
「俺が殺る」
「若は怒ると怖いですよ」
榊さんが小さく笑いを溢した。
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