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まっすぐに奏さんを見つめると微かに瞳が揺らいだ。
「家に帰って、奏さんの手当てしよ?」
わたしのことはいいから。
奏さんや仁さん、榊さんがわたしを見つけてくれた。
何もなかったんだからそれで…それでいいから。
だから、もういいから。
わたしのことなんかより、奏さんの傷の方が心配だから。
―――だから
奏さんの噛み締めたくちびるを指で拭って、奏さんのハンカチで覆われた手をギュッと握りしめた。
「もう帰ろう?奏さん」
転がってる人にも殴られた人にももう何もしなくていいよ。
「一緒に帰ろう?」
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